「上から目線」の時代


冷泉彰彦の新刊『「上から目線」の時代』を読みました。冷泉さんはJMMのメルマガに毎週投稿しており、私の感想は読者をひきつける物書きでございます。


本著によれば、次のような環境の変化が「上から目線」があちこちからみられるようになったと分析する。まず、世の中の共通の価値観がなくなり、テンプレが通用しなくなる。他方、対立した価値観を持つ人たちが主にネットの影響で接触する機会が増え、対立が表面化しがちになった。


更に、対立する二人が主張を通そうとしても、なかなか通らない。無理に通そうとすると争いになる。無理と一方が主張すると他方は主張する側を「上から目線」と感じる。逆もまたしかり。


この環境下で人々が暮らすための冷泉流処方箋は二つの方策。1)価値観の対立をなるべく避ける、2)対立したら落としどころを探る。どちらかが勝利し、どちらかが敗北するというよりも暫定的な合意で棲み分けしよう。


個人的には、処方箋としてアメリカ流な(?)議論をする度量やスキルを身に付けようと言って、アメリカン・ウェイを押し付けるのかと思っていました。しかし、冷泉流は結構大人な(?)方法でした。


私も社会人としての人との距離感には悩み、発言するより座り豚にならんとしております。

●仕事は嫌われない程度にしつこく。

かんべえさんはおっしゃっていますが、その嫌われない程度の距離感が難しい。ここを探りながら、座り豚を卒業できるように模索しております。前にお偉いさんの講演会を聞いたら、「コミュニケーションとはお互いの共通項を探す行為である」といっておられ、大変納得したものです。


現実は、この前若干いらついて失敗しましたが、こういう人との距離感をきちんと保てるかどうかが今後の社会では非常に重要になると思います。